■2010年12月06日の「今日のことば」■
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私たちは、何かにこだわってしまうと、
つい本当の目的を見失ってしまいます。 本当はお客様に、お茶を差し上げ、それを飲んで いただくことが目的であるにもかかわらず、 手がふるえることにこだわると、そのことしか頭になくなって、 本当の目的を忘れてしまうのです。 本当の目的は、お茶を出すときに手がふるえないことではなく、 「お客様に飲んでいただけるお茶を出す」ということなのです。 どんなにふるえていても、おいしいお茶を、きれいで清潔な 湯飲みで出せれば、100点満点なのです。 私たちは、ついこのことを忘れてしまうのです。 ふるえなかったとしても、お茶が冷めていてまずく、 思いが込められていなければ、何の意味もないのです。(略) 形を整えようとするばかり、私たちはつい心を忘れて、 冷たい人間になってしまっているのです。 手がふるえるような不器用でも、その行為に思いが 込められていたなら、手がふるえることは、かえって、 真剣さと謙虚さの現れとなり、心ある人を、 感動させるに足るものとなるのです。
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この本では、こうも言っています。
「私は、むしろ、おいしいお茶が、充分な心づかいのもとに、 ふるえる手で出されたなら、これは最高の感動を人に 与えると思います。 悩んでいる人には、こだわって生きている人には、 そのことが見えないのです」 自分の癖や隠したいところ、 例えば、今日のことばのような、手のふるえ、また、 人前で話すとあがるとか、うまく話せないとか、を 気にするあまりに、そのことばかりが気になって、 本来を目的を忘れてしまうことがあると言うことです。 また、例えば、自分をカッコよくできる人に見せたいあまり、 本来の目的は、わかりやすく説明する資料をつくり、 みんなにわかってもらうことなのに、体裁や動画にこだわり、 カッコいい資料つくりが目的になってしまう人もよくいます。 もちろん、人間だから、 カッコつけたいときもあるし、いいところもみせたい、 人前であがらないほうがいいし、手もふるえない方がいいに 違いないとは思いますが… そのことにあまりにこだわるあまり、気にするあまり、 本来の目的や大切なことを忘れてしまっては、それこそ、 カッコ悪いし違うと思うのです。 もしかしたら、「そんなことにこだわっている」より、 大切なことがあるかもしれない…大事なことがあるかもしれない、 本来の目的とずれていないか、心を置き去りにしていないか、 忘れないようにしたいと思うのです。 |
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