■2010年09月22日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
腹を空かせた貧しい青年が、橋の上に座ってぼんやりと
漁師たちの仕事を眺めていました。漁師の釣りカゴの中をのぞき、 近くに魚の群れが泳いでいるのを見て、青年は言いました。 「まったく、あれだけの魚が手には入ったら、ぼくだって 元気になれるのにな、魚を売って、服と食べ物を買えるのに」 すると、漁師のひとりが青年に話しかけました。 「あのぐらいの魚ならくれてやってもいいんだが、 ちょっと頼みをきいてくれるかな」 「もちろんです」 「しばらく、この釣り糸の番をしていてくれないか、 町に用事があるんだ」 とその年配の漁師は言いました。 青年は喜んで引き受けました。 そうやって竿の番をしているうちに、魚がどんどん 食いつきはじめ、彼は次から次へと釣り上げていきました。 それがとても楽しくて、青年の顔には笑みがこぼれました。 やがて漁師が戻ってきて、こう言いました。 「約束どおり魚をやろう。さあ、自分で釣った魚を全部、 持っていくといい。それと、ひとつ忠告もしてやろう。 今度何か必要になったら、こうなればいいのに、 などと空想にばかりふけって、時間を無駄にしてはだめだぞ。 すぐに仕事にとりかかり、自分の手で釣り糸を投げ込んで、 何かを起こすことだ」
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