■2009年11月02日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
ある家庭での朝の出来事です。
学校に急いで出掛けようとしていた中学生の男の子が、 床の上に置いてあった灰皿を蹴飛ばしてしまいました。 吸いがらが散乱するな中で、男の子は怒鳴ります。 「こんなところに置いてあるから悪いんだ」 台所から母親が叫びます。 「お父さんが使った後、しまわないから悪いのよ」 父親は父親で、母親に向かって、 「お前が気を利かせて始末しておかないからだ」 と言い、息子に向かっては、 「もっと気をつけて歩け」と叱りつけ、 これまた不機嫌のまま出勤していきました。 かくて一家三人、それぞれに不愉快な思いを抱いて、 一日を始めることになったのです。 同じことが起きたとして、灰皿を蹴飛ばした息子が、 まず自分の不注意を詫びていたとしたら、母親も、 「私が片づけておいたらよかったのに、ごめんね」 と詫び、父親が、 「いや、僕が悪かった。昨夜使ったままにしておいて すまなかった」と謝っていたとしたら、 この一家三人はお互いに詫び合い、許し合って、 気持ちのいい一日を始めたことでしょう。 許し合うためには、まず当事者同士が、自分もまた、 許されなければならない、過ちの多い人間なのだ、 という自覚がないといけないのです。
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