■2008年11月14日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
世の中の役に立つということが、
非常にあやふやなことなんです。 ここに幅が50センチの橋があるとします。 橋の長さは100メートル。手すりはありません。 そして、20メートル下を川が流れています。 ということは、その橋は 20メートルの高さのところにあるわけです。 あなたは、この橋を渡れますか? この板きれの上を100メートル歩けますか?(略) けれども、よく考えてください。 人間は、幅50センチもあれば、その上を歩けるのです。 しかし、わたしたちは、幅50センチの道路で、 左右は深い谷になっていれば、絶対に歩けません。 こわくて、足がふるえるに決まっています。 したがって、 道路の幅は2~3メートルが必要なのです。 その意味では役に立っていないようですが、 それがなければ歩けないのですから、 大いに役に立っているのです。
まゆの感想
「世の中の役に立つ」というと、
究極の板きれ50センチのことばかりを思いがちだが、 しかし、50センチの板きれだけでは、 怖い橋は渡れないだけでなく、普段歩くのだって、 相当気を使って歩かねばならない。 そのまわりの何メートルもの板きれ、 いっけん無駄、余分、不要と思われる板きれの 余白、余裕があってこそ、ゆったりと、 安心して歩いていけるのだと思う。 今どきは、役に立たない(と思える、見える)から、 無駄だ、余分だと、簡単に切り捨ててしまう、 そんなことが多いように感じられる。 また、自分も無意識にそんな判断をして、意識せずに、 簡単に切り捨て、その結果、余裕がなくなっている、 そんな気もする。 実際には、何が役立ち、何が無駄なのかわからない。 今は、役立っていてもすぐに無駄になるものもあるし、 役に立たず、無駄と思っていたものが、 実は自分を支えてくれているなんてことだってある。 役に立っているとか、無駄だとか、 そんな目でばかりで見たり、そんな尺度ではかって、 簡単に判断してはいけない、切り捨ててはいけないなぁ、と思う。 特に、人に関しては… 《お知らせ》 この本の中で、心に残った話を、「ぼちぼち日記」に 書きました。よろしかったら、読んでみてください。 「「愛すること」と「好きなこと」は違う」 |
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