■2023年07月18日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
「バカ」を「おバカ」と言って中和した結果、 日本人は大切なものをなくしてしまった。 それは「恥」の感覚ですね。 「バカ」と言われりゃ、 少し以上たじろぐのに 「おバカ」になったらたじろがない。 「バカ!」には!がつくが、 「おバカ」にはつかない。 下手をすればハートマークがついてしまう。 「バカ」が「おバカ」になって、 バカがたじろがない結果、 「バカでもいいんだ。バカって たいしたことじゃないんだ」と思って、 「バカな自分を恥じる」 という感覚をなくしてしまう。 「恥」の感覚をなくしてしまうということは、 知性にとっての危機なんですけどね。 でも、 日本人が「バカ」と言われることを 恥じなくなったわけじゃない。 「バカ!」と言われれば、明らかにたじろぐ。 「バカだったらやばい」という感覚は、 まだ十分に日本人の中に生きている。 だからそれを「おバカ」だなんて、 つまらない言い換えをしない方がいいと思う。
まゆの感想
おおっ「お」ひとつで、
こんなに感覚が変わるのか… 確かに「バカ」と「おバカ」の ニュアンスはかなり違う感じがする。 誰かに、 「バカっ!なにやってんだ」 って言われたら、びくっとして 「えっ「バカ」って言われちゃったよ。 (なによ、バカとは失礼な、と思いつつも) まずいっ。 私、何かやらかしたかしら。 何か、バカなことした?」などと 自分の行動を振り返り、 次に気をつけるかもしれないけれど、 「おバカだね~なにやってんの」 って言われたら、 「えっと、あなたに言われたので、 これとこれやってました~ なにかダメだった?」 などと言い訳からはいり、 自分より相手の方を責めがちになるかも。 そして、 「ま、おバカならいいか。 相手もおバカだしね」 なんて、軽く流してしまうかも。 その結果… もしかしたら… この後の生き方に、いろいろな意味で、 反映されるかもしれませんね~ そういえば、先日洋服を買いに行って、 試着室から出て、さらに迷っていたら、 スタッフが、 「おイヤでしたか?」 と声をかけてきました。 そのとき、 「その言い方が、おイヤだなあ」 と思ったことを思い出しました。 なんでも「お」をつけて、 やわらかく、ていねいっぽく 中和すればいいってもんじゃないんですね。 それによって、誤魔化されることも、 なくすものもあるのかも… なんでも「お」をつけるのよそう、 などと思ったのでした。 |
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