■2019年10月03日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
「ご隠居さん、ここから、西へどこまでも、 ずっーとまっすぐに行くてーと、いってぇ、 どこへ行くもんでしょうかねえ?」 落語の中で、八つぁんが、 もの知りのご隠居さんに尋ねているシーンです。 隠居「それは、西の果てに行きつくな」 八 「その果ててえやつを乗り越えて、まだ、 どんどん西へ行くってえと、どこへいきますかい?」 隠居「しまいには、底なしの谷にぶつかってな、 そこから先へはもう行けない」 八 「その谷を、なんとか乗り越えて、どんどん 西へ行くと、どうなりますかい?」 隠居「しまいには、高い塀があって、もう進めない」 八 「そこをなんとか乗り越えて、どんどん 西へいくと、どうなるんで?」 隠居「うーん」 と、ご隠居さんは大いに弱ってしまいます。 なぜ、ご隠居さんが弱ってしまうかというと、 それは、素直に「解らない」と言えないからです。 なぜ、解らないと言えないかというと、 知らないと言うことは、「もの知り」の 沽券にかかわると思っているからです。 しかし、これは 落語の世界にかぎったことではないのです。 解らないことを解らないと素直に言えないヤカラは、 いい大人の世界にもいくらでもいるのです。 われわれ人間が、自分自身の能力の限界について、 謙虚に考慮をめぐらせば、むしろ知らないことの方が、 知っていることより、はるかに多いにことに 気がつくのではないでしょうか。(略) あるがままに見て、 「自分は知らない」あるいは 「自分には解る能力がない」と理解したら、 素直に「解りません」という答えが出す方がよろしい。
まゆの感想
この話を聞くと、笑ってしまうのですが、
「それについては、よく解らない、知らない」 と言えずに、知ったかぶりしてしまうところが、 私には、あります(汗) そして、そんな自分に気がつくと、 この落語の話を思い出すのですね、 「ああ、ご隠居さんになってるな~」と(苦笑) もの知りと思われたいと思っているわけではないですが、 どこか、優位に立ちたいと思っているところがあるのでしょう。 そんな自分に気がつくと、自分がイヤになることがあるので、 イヤにならないようにしていこうと心がけているところです。 スマホを調べて、テレビを見て、本を読んで、 いろいろな情報を得て、知ったような気になりがちですが、 よくよく考えてみれば、そんなことでは、 知ったことにならないな、と思うので、 重々気をつけていこうとも思っています。 |
|