■2019年05月15日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
「習うより、慣れろ!」とはよく言ったものです。 感想力トレーニングの基本は、まさにこの格言どおり、 場数を踏むことに及ぶものはありません。 舞台や講演会に行ったら、自分なりの感想を考える。 奥さんや恋人の手料理には、必ず「うまい」以外の ひと言を付け足す。 大切なのは、面倒くさがったり逃げたりせずに、 とにかく感想を口にすること。 野球でいえば、何はともあれ打席に立つことです。 ときにはピントはずれの感想を言ってしまって 恥をかくこともあるでしょうが、それはそれ。 最初から10打数打とうなんてムリな話ですから。 そもそも失敗を恐れるのは、打席に立つ回数が少ないからです。 「来週の会議では、うまいことを言ってやろう」と〝ここ一番〟 しか狙おうとしないから、失敗がダメージになるのです。 一打数一安打の10割バッターより、三割バッターでいいから、 できるかぎり打席に立った人の方が成功のはずです。 積み上げた経験こそが、いざというときに役立つものなのです。
まゆの感想
おちさんは、こんなことをしていたそうです。
「映画監督になりたったぼくは、中学生のとき、 一年で100本、映画を観ると決心して、一日に3本、 映画館を走ってはしごするようなこともしていました。 お金がないので、映画の安い一日に勝負をかけたのです。 そして、必ず生徒手帳に感想を書くようにした。 あそこに伏線があったから、あのシーンはよかった、とか 駄作だったら、どのようにつまらなかったか、とか。 淀川長治さんのように、ひとつでもいいところを見つけだして、 なるべくポジティブに、何より具体的に。 だれに見せるわけではありませんが、とくかく場数を踏んだのです」 打席に立つこと、場数を踏むこと、実際にやってみること、 10割バッターを狙わないこと、これは、 自分の経験を積むためにも、必要だなと思います。 ただ、最近は、なんでもクレームをつける、悪口を言う、 批判する、すぐに怒る、人を分断する、いじめるなどして、 自己主張感想を言い始める人が多いように感じます。 「習うより、慣れろ!」で、逆の方向に場数を踏んでいる? ような人もよく見かけます。 人をぎょっとさせたり、嫌な思いや辛い思いをさせるためでなく、 自分のためにこれから役立つことで、周囲の人にも気持ちよく 受け入れてもらえるような、場数を踏んで、 素直な感想が言えるようになったらいいなと思っています。 |
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