■2017年08月02日の「今日のことば」■
前日のことばを見る 次のことばを見る
「今日のことば」
他人に迷惑をかけまいとしている人は、 たしかに立派な人である。 非難する余地はない。 けれども、その人は、他人から受ける迷惑を なかなか許せないのではなかろうか。 自分は一生懸命、迷惑をかけないようにしているのに、 おまえはけしからん…といった気になる。 他人に迷惑をかけまい、かけまいと努力していると、 ついつい他人から迷惑をかけられたくないといった気持ちになる。 それが困った点である。 仏教が言っているのは、 人間は迷惑をかけずには生きられない存在である、 ということだ。 一人が大学に合格すれば、確実に一人はその大学に入れない。 誰かが部長になると、他人はなれない。 満員電車に一人が乗れば、その人は他の乗客を窮屈にさせている。 われわれは存在しているだけで、 他人に迷惑をかけているのだ。 だから、わたしたちは、 他人から受ける迷惑を耐え忍べ、 と仏教は教えているのである。 -耐辱(にんにく)-と呼ぶ。 仏教は、「他人に迷惑をかけるな」ではなく、 「他人からの迷惑を耐え忍べ」と教えている。
まゆの感想
多くの方は、親や周囲の人に、
「他人に迷惑をかけてはいけない」 と、教えられて育って来ていると思いますが、 仏教の教えはちょっと違うのだそうです。 迷惑をかけないことももちろん大切ですが、 迷惑をかけられることを受け入れることが、 もっと大切、だというのですね~ 無際限に迷惑を耐え忍ぶ、ということではないけれど、 ある程度の迷惑は耐え忍ぶ、そんなことが大切で、 その方は、自然だということです。 なぜなら、自分もまた知らずに、 他人に迷惑をかけているのだから、と。 なるほど、そうなのか… そうだなぁ…と思ったしだいです。 |
|