■2007年04月07日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
ベトナム戦争直後のことだ。ある時、私の友人が
ものすごいどしゃ降りの最中に、アリゾナの ガソリンスタンドに立ち寄った。 出てきた従業員はガソリンを満タンにする間中 口笛を吹いていかにも楽しげだった。その従業員の ユニフォームから水がしたたり落ちているのを見た友人は、 こんな大雨の中にひっぱり出してしまって申し訳ないとわびた。 するとその従業員は、にっこりしながらこう答えた。 「これが私の仕事ですから」彼は続けた。 「私はね、ベトナムの塹壕の中でじっと腹這いになって いた時に、誓ったんですよ。 もし生きて無事に家に帰れたら、どんなに嬉しいことか。 そうしたもう二度とどんな目に あったって決して不平をもらすまいと、とね。 だから、私には文句というものがないんですよ」
まゆの感想
この本を読んでいて、記憶に残った話の1つでした。
人は忘れやすいから、ある時に、 「これが叶ったら、幸せで他は何も望まない」 「これが叶ったら、本望なのでなんでもする」 「体がよくなったら、摂生する」 「この人(子)が元気でいてくれさえすれば満足だ」 などと、思っても、のど元を過ぎれば、 その幸せを忘れ、なんでもすることを忘れ、 摂生することも、満足することも、 忘れてしまいがちだ。 そして、また次のことを求める。 しかし、私は思う。 こういう原点ともいうべき自分の思いを 忘れていけないのではないかと。 少なくても、時々は、この原点の思いを 思い出す必要があるのではないかと。 それが、自分の際限ない要求や欲望を抑え、 謙虚な気持ちにさせてくれるのではないかと。 私は、忘れないようにしたいと思う。 |
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