■2006年08月15日の「今日のことば」■
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「今日のことば」
わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって とんでもないところから 青空なんかが見えたりした わたしが一番きれいだったとき まわりの人達が沢山死んだ 工場で 海で 名もない島で わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった わたしが一番きれいだったとき だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった 男たちは挙手の礼しか知らなくて きれいな眼差だけを残し皆発っていった わたしが一番きれいだったとき わたしの頭はからっぽで わたしのこころはかたくなで 手足ばかりが栗色に光った わたしが一番きれいだったとき わたしの国は戦争で負けた そんな馬鹿なことってあるものか ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた わたしが一番きれいだったとき ラジオからジャズが溢れた 禁煙を破ったときのようにくらくらしながら わたしは異国の甘い音楽をむさぼった わたしが一番きれいだったとき わたしはとてもふしあわせ わたしはとてもとんちんかん わたしはめっぽうさびしかった だから決めた できれば長生きすることに 年とってから凄く美しい絵を描いた フランスのルオー爺さんのように…ね
まゆの感想
とても有名な詩なので、知ってる方も
多いと思いますが、今日は、茨木のりこさんの、 「わたしが一番きれいだったとき」 という詩の紹介をします。 わたしが、戦争の悲惨さや哀しさを 実感として感じることができた詩です。 この詩を読んでわたしが、初めて、 戦争を身近に感じることができました。 とても心に残る詩でした。 |
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