ことば探し
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■2022年09月06日の「今日のことば」■

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「今日のことば」

この人の
「金のためじゃねぇ」は徹底している。
まず、注文がたくさん来ることをきらう。
納得できる仕事しかしたくないから、
ひとりじゃ手が回らない仕事の依頼は、
迷わず断るのだという。

「おれは細かいところまで丁寧にやりたいの。
 機械を使えば2時間でできる仕事を、
 手で100時間かけてやりたいわけさ。
 その気になりゃいまの3倍は稼げるかも
 しれないけど、それは、
 おれの仕事じゃねぇから」
(略)

さらにフレデリックさんは、
気に入らない客とはさっさと縁を切る。

「一時期、古い武器の修理を
 していたこともあった。
 でも武器コレクターの多くは、
 現在の武器商人なんだってわかってきた。
 武器を売って稼いだクソみたいな金で
 おれに仕事を頼んでくる。
 そういうのはいやだから」

カラカラを笑った。
ブレない。頑固。かっこいい。
こういう職人が世界各地にひっそりと
生息してると思うと、この世は
捨てたもんじゃないという気持ちが
胸に満ちてくる。


出典元 パリのすてきなおじさん
おすすめ度 ★★★☆☆  ※おすすめ度について
著者名 金井 真紀 (著), 広岡 裕児 (監修)

まゆの感想
この話をしてくれたフレデリックさんは、
パリの下町でシズラーという仕事をしている方。
(出版時2017年47歳)

シズラーとは「彫金師」のことだけど、
フレデリックさんは修理専門で、
名家のお宝や美術館の収蔵物を預かって、
傷ついたところを補修したり、欠損した部分を
ゼロから修復したりして、完成時の状態に
戻すのが仕事で世界中から依頼がくるそうです。

国家最優秀職人章と無形文化財企業の称号を
持っている腕のよいシズラーですが、
「派手なことがきらい」だし、
「金のためにこの仕事をしているわけじゃねえ」
ということで、ひたすら技術の向上を目指しつつ、
誰にも知られずにやることにしているとか。

偏屈なので、貧乏で日々のお金の
心配をしなくてもよくなったのは、
つい5、6年前だそう。
「家族がそれなりに暮らしていけるだけ
 稼げばいいし、1日働いて、
 気持ちよく疲労するくらいがちょうどいい」
と思っているそうです。

こんなふうに自分と自分の仕事を
ブレずに貫き通して生きているって、
すごいなあ…と思いました。
この本には、パリの片隅に生息している
こんなおじさんたちの話が書かれています。

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