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■2022年08月28日の「今日のことば」■

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「今日のことば」

気の持ちようが大切ということになると、
病人には「明るくしていること」が求められる。
これは、病人の周囲の人たちにとっては、
とても都合がいい。

病人は、病気になって苦しんでいるわけで、
どうしたって基本的に暗い。
それはしかたのないことだから、
周囲も責めることはできない。
しかし、内心は、そうやって
落ち込んでいる人がいると、
うっとうしく思ったりもしている。

そこに
「明るくしていた方が病気にもいい」
という見解を提示されれば、
それは、喜んでとびつくのも無理はない。
「明るくしているほうが、
 病気のためにもいいんだよ」
と、病人に明るくしていることを強制できる。
なにしろ当人のためなのだから。

そういう次第で、病人は、
病気になるという悲しい出来事のまっただ中において、
明るくしていることを求められる。
泣きたいときに、笑顔でいることを求められる。

楽しいときに泣けと言われたら、
誰だって難しいはずだ。なのに、
泣きたいときに笑うことはできると
思っている人が多い。
不思議だ。



出典元 食べることと出すこと
おすすめ度 ★★★★★  ※おすすめ度について
著者名 頭木 弘樹

まゆの感想
また、こんな不思議も書かれています。

「もちろん、つらいときにも
 笑顔でいられる、立派な人もいる。
 病気でも、暗く落ち込まず前向きに生きた
 立派な人の感動的な本が何冊も出版されている。
 お見舞いの人は、
 そういう本を嬉しそうに持ってくる。

 それは大半善意からで、病人を励ますつもりだし、
 たしかにそういう効果もある。
 しかし、立派な人の本を読めば、
 立派な人になれるわけではない。
 偉人の本はたくさんあるが、それを読んで、
 偉人のように振る舞えている人がいるだろうか。

 健康でもそうなのに、
 まして、病気になっているときに、
 立派になる人になるのを求められて困る。
 それなのに、同じ病人なのだから、
 立派な病人と同じ振る舞いができると
 思っている人が多い。
 これも不思議だ。

 健康な人が、健康な偉人と同じ振る舞いが
 できるわけではないように、病人も、
 立派な病人と同じように振る舞える人はすくない。
 それでも病人は、他人に面倒を
 見てもらわなければならない弱い立場なので、
 なるべく周囲の意向に添おうとする。(略)

 だから、病院の6人部屋でも、
 たいていの人は明るい。
 それは、がんばって明るいのである。(略)

 医師も患者の前では明るくしようとしているだろうし、
 看護師さんにいたっては、それこそ
 明るい天使でいることを求められるところがある。
 病室というのは、医師と看護師と患者の三者ともに、
 「感情労働(感情のコントロールをしなければ、
  ならない労働)に携わっている不思議な空間だ」

何かこう…静かに重く、
心に残ったことばでした。

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