■今日の「おすすめ本」■
2009年7月6日
- タイトル
- 失敗の予防学
- 著者
- 中尾 政之
- 出版社
- 三笠書房 (2007/10)
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
ミス」が起こるのか、「科学の目」で失敗を徹底的に解剖し、その
予防策、対応策「転ばぬ先の知恵22」を、わかりやすく教えて
くれる本。
著者は、こう言っています。
「人間は必ず失敗する。それも性懲りもなく、同じような失敗を
繰り返す。
しかし、自分の失敗をきちんと知識化、教訓化することで失敗の
再発を防ぐだけでなく、逆に失敗しないようなスキルやノウハウ
を積み上げて、質の高い仕事をするための絶好のチャンスにする
こともできる。
一般に仕事のできるひとは、自分のやった失敗だけでなく、他人
の失敗も「他山の石」として知識化し、教訓化しているもので
ある。
「人のふり見て我がふり直せ」これが、この本で解き明かす、
失敗学の神髄である。賢者はそれこそ、古今東西の他人の失敗を
活かすのである」
つまり「ああ、ならないようにしよう」と思い、慎重にことを
すすめていくことが大事だとか。
こんな失敗を防ぐ「転ばぬ先の知恵22」が書かれています。
1.他山の石の法則……失敗の模範例を頭に入れておく
2.慢心の法則……古典的しっぱい例
3.隠蔽の法則……時間が経てば経つほど“傷口”は広がる
4.予兆の法則……「まさか!」を芽のうちに摘み取る
5.自己過信の法則……自分勝手な“カイゼン”は命取り
6.対処療法の法則……小さなクレーム無視が“地雷原”
7.出会い頭の法則……“サプライズ”がかえって逆効果
8.外れ値の法則……ミスや失敗が発生しやすい“外れ値”
に注目せよ
9.虻蜂(あぶはち)取らずの法則……同時並行作業には
“怖い罠”がある
10. ブランド最優先の法則……目先の“取り繕い”はあとで
必ず高くつく
11. 大本気の法則……“逃げも隠れも嘘もない姿勢”を示す
12. 急がば回れの法則……“判断遅れ、行動遅れ”を一気に
取り戻す
13. 希望的観測の法則……根拠のない“期待”は徹底的に
排除する
14. 慣性のの法則……「やめられない、とまらない」が最悪の
事態を生む
15. 油断の法則……“ボーダレス時代”を勝ち抜く知恵
16. トライ&エラーの法則……常識の2割は間違い、ここに
気づけるか
17. 一極集中の法則……“オール・オア・ナッシングのリスク”
を排除する
18. 偶然→必然の法則……あのディズニーがコピーした世紀の
傑作
19. 性悪説の法則……“マニュアル”いつも破られるためにある
20. 過剰適応の法則……“超ダーウィニズム”に足をすくわれ
ないために
21. 危機回避の法則……将来のミスやトラブルを想定した
“アクションプログラム”を!
22. 失敗挽回の法則……新しい視点で“大きな新天地”を開く!
失敗の本質や失敗の事例がたくさん書かれていて、とても勉強に
なった本でした。なるほど、こんなところに落とし穴があるのか、
ここは注意するべきなんだな、など、よくわかりました。
ビジネスの失敗を取り上げていますので、会社経営に携わっている
方、一線のビジネスマンには、一読をおすすめします。
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
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「あれは運が悪かったからだ、私はああはならない」 と考えるタイプがいる。 これではどんな失敗からも知識化、教訓化できないから、 同じような失敗を繰り返すこ | ある経営トップは、問題が発生したら、 すべて自分の責任と考えるようにしていると言う。 なぜなら、 「自分が悪いと考えれば、即座に対策を考えます。 人の | 2009-02-23 |
「一件の重大災害の裏には 29件のかすり傷程度の軽災害があり、 さらにその裏にはヒヤリとしたり、 ハッとした300件の体験がある」 これは失敗 | さらに、この本では、こう言っている。 「自分の失敗をきちんと知識化、教訓化することで 失敗の再発を防ぐだけでなく、逆に失敗しないような スキルやノウハ | 2009-02-12 |
私は、90名のエンジニアを集めて、今、自分に 降りかかってきそうなリスクを書いてもらったことがある。 そして、インターネットに載っている失敗データを 「他 | しかし、多くの人は、失敗事例、模範例を頭に入れ、 これに学ぶこと、これを活かすことがなかなかできないという。 その理由は、 ○事例、模範例を知らない、 | 2009-01-30 |