■今日の「おすすめ本」■
2012年2月10日
- タイトル
- なぜ社員はやる気をなくしているのか
- 著者
- 柴田 昌治
- 出版社
- 日本経済新聞出版社 (2007/5/16)
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
組織の崩壊について分析し、具体例などから、その問題点やどう
していくべきかを問うている本。
この本では、徹頭徹尾、
「「社員の内発的な動機」を高めていくことが何よりも重要で、
それを引き出し、考える社員を増やしていかねばならない」
と言っています。
組織内での日本の現状は、
●成果主義など上からの制度改革
●形式主義に不満が鬱積
●失われる対話
●上司と部下の認識ギャップ
●思考停止
●人が育たない組織
●世界最低レベルの忠誠心
になってしまっているが、今後は、
◎リーダーシップからスポンサーシップへの転換
◎引き算でなく足し算の人間観を持ち、答えを一緒につくる
◎経営と仲間への信頼感がつくるセーフティネットを築く
◎不満分子の隠れたやる気に火をつける
◎「仲のいいけんか」ができる質の高いチームワークを発揮
◎変革を小さく生んで大きく育てる
ことが必要となる、ということです。
例えば、こんなことが書かれています。
1.なぜ社員は主体性をなくしているのか
…内発的動機が失われた理由
…劣化する組織風土、体質
2.閉塞感を打ち破る
…進化の「価値観」を共有しよう
…健全な組織ほど問題が見えている
3.不満分子の隠れたやる気
…関心を内発的動機に変える
…意識改革では変われない
4.経営と仲間への信頼感
…内発的動機が引き出される条件づくり
…トップに変えていく意志がない場合
5.リーダーシップからスポンサーシップへ
…内発的動機を引き出すトップの役割
…「強いリーダーシップ」が逆効果を生む
6.「仲のいいけんか」ができる組織
…チームで内発的動機を喚起する
…世話人の果たす「参謀機能」と「コアネットワーク」
7.変革の新しい進め方
…最小単位で成功例をつくる
…トップの役割と条件
組織とは、多くが「問題はないものとして見ないようにする」
ことが多く、そのために、本当の問題が潜在化し、何かあった
ときに、それが爆発することが多いそうです。
また、今のようなトップダウン式では、社員はやる気をなくし
何も考えなくなり、組織の力と質をどんどん下げてしまう、と
いうことです。
「なんか変だこの会社」と思っている方には、一読をおすすめ
します。その「変だ」がすっきりとわかる本です。
また、会社上部の方にもおすすめの本です。
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
---|---|---|
なぜ対話が成立していないかをよく観察してみると、 その人は対話をしたいと主観的には思っているのだが、 結局、いつも自分で答えを用意して対話の席に のぞんで | 対話、話合いと称して、 「これをわかってもらおう」 「このことをのんでもらおう」 「こう結論を持っていこう」 「こう決めなければならない(イヤだ)」 | 2010-02-10 |