■今日の「おすすめ本」■
2023年7月28日
- タイトル
- 犯罪心理学―行動科学のアプローチ
- 著者
- カート・R. バートル (著), アン・M. バートル (著), & 5 その他
- 出版社
- 北大路書房 (2006/01)
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
これまでの日本の犯罪心理学で主流であった臨床系・
矯正系『ではない』犯罪心理学の教科書で、行動科学・
実証科学としての犯罪心理学を体系的に紹介した本です。
これまでの日本の犯罪心理学書といわれる本に多く
掲載されていた、凶悪事件の詳細な紹介、犯人との
一問一答、犯罪者のゆがんだ心の闇の分析は
載っていませんので、ミステリー小説・ホラー映画の
代わりに読むには適してはいないかもしれません。
そのかわり、万引き犯から殺人犯までのすべての
犯罪者とは実際にはどんな人たちであり、どんな理由で
どんな犯罪行動をするのかに関しての最新の知見を
心理学、医学・生理学、社会学の視点から体系的に
知ることができます。
フルリファレンス(数十ページ分)を掲載し、
文中の引用の人名や研究機関名には原文の綴りも
掲載していますので、犯罪学、犯罪心理学の
研究者には役に立つと思います。
7版まで版を重ねてきた教科書ですので、
もちろん学部・大学院の犯罪心理学の教科書にも
最適です。また、独習型の教科書ですので、
記述は詳細で自己完結的です。
ですから、犯罪問題を扱うジャーナリスト評論家、
または犯罪に関する学術的・専門的興味を持つ
一般読者にもお勧めできます。
大学で犯罪心理学を学びたいと思っている
高校生にも是非読んでいただきたいと思っています。