■今日の「おすすめ本」■
2006年12月18日
- タイトル
- 無為の力
- 著者
- 河合 隼雄 (著), 谷川 浩司 (著)
- 出版社
- PHP研究所
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
両氏とも、とても深いものを持っているので、対談内容がとても
濃くて、久しぶりにじっくりと読み込みました。
河合隼雄さんの本はほぼ全書読んでいますが、対談形式もので、
この本はかなり好きな部類に入ると思います。読みやすいし。
この本の中に、こんな話が載っています。
谷川さんは現在40代ですが30代の頃、8歳半年下の羽生さんに、
「嫉妬心」があり、どうでもいいことが気になって仕方なかったと
河合さんに打ちあけます。
すると、河合さんは、こう言うのです。
「人のことを嫉妬したり、うらやましいと思っている間は望みがある
んですよ。なぜ人のことを妬むのか。
それは“同じことを自分もできるかもしれん”と思うからうらやましく
なるわけでしょう。(略)
それは「ちょっと頑張れば自分でもあれぐらいのこと…」と思ったり
するからですよね。つまり、自分の可能性がうずくんです。
嫉妬のあるところ、可能性あり、なんですよ。
ですから、人を嫉妬した時には、相手をやっつけに行くよりも、
その力を自分の可能性を伸ばす方に振り向けたら、結果は大分
変わりますよ。」
谷川さんは、その話を聞いてこう言います。
「「嫉妬心があるのは可能性があるからだ」というふうな考え方を
最初からしておけば、もう少し羽生さんへの苦手意識から抜け出せた
かもしれません。」
2人の、勝負に対する考え方や、生きることについての基本的な考え方、
この本のタイトルにもなっている「無為の力」などが書かれています。
じっくりと楽しみながら、読んでみることをおすすめします。
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
---|---|---|
日本の将棋界でやはり1番すごいのは羽生さんですね。 私が感心するのは、彼がどんな時でも常に 新しいことへの挑戦を続けているというところです。 実績のあ | 谷川さんは、こうも言っています。 「人間誰しも、「このやり方でうまくいった」という 経験をすると、その時のやり方にこだわりを 持ってしまって、新し | 2006-03-02 |
勝負を戦う時には 「焦らない、諦めない」ことが 大切だと思います。 自分のほうがよくなった時にも 決して焦って勝負を急がない。 自分が苦しくな | そういえば、アテネオリンピック 競泳女子800メートル自由形金メダルの柴田亜衣選手が 金メダルをとったときにインタビューで、 「あせらず、あわてず、あ | 2006-02-21 |
「こっちが苦しい時は向こうも苦しんでいる」 いつも自分の立場からだけ見てると、 物事を極端に悲観的に捉えたり、 反対に楽観的に捉え過ぎたりしますね | この本の中で、このことばについて、 こんなことが書いてあります。 「東郷平八郎だったと思うのですが、 こんなことを言っているんですね。 海軍 | 2006-02-13 |