■今日の「おすすめ本」■
2009年1月10日
- タイトル
- こじれる人間関係-ドラマ的交流の分析
- 著者
- 杉田 峰康
- 出版社
- 創元社
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
その成り立ちやからくりを解きほぐし、そこから脱却してよりよい
人間関係を営む方法などを教えてくれます。
人には、人と交流するときの「癖」があると言います。
例えば、ある人は、必ずといっていいほど「人間関係をこじらせる
癖」があり、こういう人との会話は、最初はもっともらしい話題で
始まるのですが、最後に、きまってどちらかが不愉快な気分で結末
を向かえることになるといいます。
それを、経過を観察してみるとやりとりの裏に何か別の動機や目的
が潜んでいるのだそうです。
そして、この裏の動機や目的には、過去にルーツがあり、その過去
が未解決だったり、まだ自分の中でくすぶっていたりすると、何度
も繰り返されてしまうということです。
また、この本の「ドラマ的交流の分析」は、エリックバーン博士の
「交流分析理論」が元となって書かれていますが、この理論による
と、人には「3つの私」があるとされています。
1.親の自我状態 P(Parent ペアレントの略)
自分の父親、母親、あるいはその他の自分を育ててくれた人
たちの考え方や行動や感じ方を、取り入れた(知らずに真似
している部分)
2.大人の自我状態 A(Adurt アダルトの略)
人格の中で、物事を自分で冷静に判断して行動する、いわば
コンピューターのような働き
3.子どもの自我状態 C(Child チャイルドの略)
自分の幼い頃にしたのと同じように、今ここで行動したり
感じたりしている状態
そして、人間のさまざまな悩みや、対人関係のトラブルは、
私たちがこれら3つの状態があることに「気付いてないこと」、
「それらのバランスが大きく崩れている(どれか1つが突出して
いたり、全く欠けていたり)」ために、それらを使い分けて自己
コントロールする手段を身につけていないことも原因だということ
です。
少し、専門的な本ですが、「事例」なども豊富で、比較的わかりやす
く書かれていると思います。
いつも自分が、人間関係で「同じパターン」にはまっていると感じておられる方、また、カウンセリングなどに興味がある方、人間
心理が知りたい方、これから人間関係を大切にしていきたい方、
などには、おすすめの一冊です。
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
---|---|---|
悪いシステムには悪いルールが働いているものです。 | そんな気が強くする。どうにも、そうとしか考えられないようなことがある。そして、そのシステムには、太刀打ち出来ないような妙なパワーがある。怖さかも知れないが…こん | 2002-11-14 |