■今日の「おすすめ本」■
2020年12月14日
- タイトル
- 人生の実力
- 著者
- 柏木 哲夫
- 出版社
- 幻冬舎 (2006/07)
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
2500人の死を看取ってきた、ホスピス医の第一人者が生きる
勇気といい死に方をする生き方を語りかけてくれる本。
著者は、こう言っています。
「人間の「弱さに対する理解」も大切だが、同時に人間が持って
いる「強さもしっかり見ていく」ことをしないと、本当の意味
での人間理解ということにつながっていかないだろうと思う。
例えば、ある患者さんがホスピスへ入院し、我々スタッフは
その患者さんに対して、神経質な人という感じを持っていた。
徐々に弱って行かれる時に、「この人は本当にきちんと自分の
死を受け入れることができるのだろうか」と私たちスタッフが
思っていても、体が弱るにつれて心が強くなる、という患者
さんが実際にいるのだ。
見事に自分の死を受け入れ、そして亡くなっていく姿をみて
いると、「人間というのは強いな、たくましい面があるな」
と思う。
弱まった状態からなかなか這い上がることが難しい人もいる。
逆に、以前のその人のレベルよりももう一つ上へ成長する人も
いるのである。人生の最期に大きく成長する強さを持っている
人もいるのである」
例えば、こんなことが書かれています。
◎まさかの病、そして死
◎死を通して強くなる
◎人は生きたように死んでいく
◎再会の希望と確信
◎残された家族の悲しみには2つある
◎家族のまとめ役が死んだとき
◎死への準備がなぜ大切か
◎どこかで私たちは笑ってる
◎自分の気持ちをわかってほしい
◎「頑張って」と「大変ですね」の大きな違い
死に関する見方、考え方、受け止め方などがたんたんと丁寧に
温かく書かれていて、この本を読むと「いい死に方をしたい」と
思えと思います。
人生の後半に向う方、今が辛い方、病にある方におすすめです。