■今日の「おすすめ本」■
2005年10月17日
- タイトル
- 魂の自由人
- 著者
- 曽野 綾子
- 出版社
- 光文社
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
読み終わった後は、すっきりさっぱりします。
例えば、曽根さんの家で20年以上、飼って死んだ猫(雑種)の
話が出てきます。
この猫は、キャットフードを一度も食べす、一番安い鶏の笹身かか、
鰹のなまりぶしで生きてきた猫で、しかも、カマボコのおいしさを
見分けることにおいては天才的だったという。
おいしいカマボコなら、どこのだって眼の輝きが鋭くなり
「もっとほしい」と意思表示をするのですが、反対に、
ごたくを並べて与えて有名な老舗のカマボコを、
ふんと鼻で嗅いだだけで口もつけず「こんなものを食べられるか」と
言わんばかりにお皿に残して、立ち去ることもあったらしい。
曽野さんは
「私は今でも、死んだ猫の、浩然とした生き方を見事だと思っている。
彼女は自分の舌だけしか信じなかった。
評判もブランドも無縁であった。人間はしばしば猫に劣る。
自信も眼もなく、自分で判断をする自由も持たない
「魂の不自由人」に簡単に成り得るのである」
と言います。
この話はこの後、ブランド志向の人の話に結びついていくのですが…、
ともかくこれ以外にも、絶妙なたとえ話が随所の出てきて、
なるほどとにやりとしたり、うんうんと頷くところが多い本です。
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
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自分が或る小さな社会にとって必要な人間だという自信があれば他のことで少しくらい嘲られてもばかにされても、人はあまり気にしなくなる。つまり人は一つだけ、自分が他人 | 自信をなくした日には、こんなことばが身にしみる。しかし、大したことでなくても私に他に追従を許さない専門分野があるか…そう思うと、また沈む…何もかも、半端な気がす | 2003-05-21 |
「自由というのは、したいことをすることではない。するべきことをすることです」(インド人の神父のことば)したいことをしているのは、子供の生活の姿なのである。 | 自由をはき違えている人たちを、最近よく見かける。自由なのだから、なんでもしていいのだと思ってる人たちだ。そういう人たちを見ていると、自分たちだけの狭い世界の、さ | 2003-05-20 |