■今日の「おすすめ本」■
2006年6月8日
- タイトル
- 人の心はどこまでわかるか
- 著者
- 河合 隼雄
- 出版社
- 講談社
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
カウンセラー(興味ある人、なりたい人も含む)のために
書かれた本。
実際のカウンセラーや、心理分析をしている方からの質問に
答える形で書かれています。
例えば、こんな質問に答えています。
「なぜ、心理療法家になったのか?」
「治療者として父性を育てるためには、どのようにすればいいか」
「仕事に対して心理療法家はどのような価値観をもって、
働くことへの援助をしたらいいのでしょうか?」
などなど、現実的な質問がされています。
この本の中で著者は、カウンセラーの資質について、
「ただひとこと言えるのは、「自分はなりたい」と
いうより、「自分こそ適任だ」と思うような人は、
あまり心理療法家には向かないと言うことです。(略)
心理療法家にとって何より大切なのは、クライエントの
考えや感情であって、クライエントの個性を生かすことです。
したがって、自分の人生経験を生かしたいと意気ごむことは、
心理療法家に必要な根本姿勢とはまったく逆の姿になります。
また、自分の傷つきやすさを、鋭敏さと誤解して、自分は
弱い人の気持ちがよくわかるので、そのような人の役に
立ちたいと思うような人も問題です。
たしかに、傷のある人は他人の傷の痛みがよくわかりますが、
そのようなわかり方は治癒にはつながりません。
傷をもっていたが癒された人、傷はもっていないが傷ついた
人の共感に努力する人、などによってこそ、心理療法は
成り立つのです」
こうはっきりと言っています。
カウンセラー(興味ある人、なりたい人も含む)には、
必見の書だと私には思えます。
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
---|---|---|
人には死ぬほど苦しいこともあります。 そこを越えていかないと成長しません。 ある意味では、 死んで生まれ変わって行くとも言えます。 | 死ぬほど苦しいこと… 死んだ方が楽だと思うこと… 死ぬほど胸が痛くなるようなこと… あるなぁ… それでも生きていくことに意味があるのかと 時々問い | 2002-07-22 |