■今日の「おすすめ本」■
2006年7月29日
- タイトル
- 笑いのモツ煮込み
- 著者
- 東海林さだお
- 出版社
- 文芸春秋
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
野菜を「考課」している話です。
「次はジャガイモですが」
「わたしはねぇ、買っているんだよね、彼を」
「いい奴です、彼は」
「努力してますね」
「責任感あります」
「ありますね」
「積極性もありますね。まず、ジャガバタでしょ。肉ジャガでしょ。
ポテトサラダでしょ。ポテトフライでしょ。ポテトチップでしょ」
「いずれにしても、自分の名を冠せた仕事ができる奴は偉い。
“冠”仕事があるということは」
「ニンジンにはありませんものね。ニンジンなんとかという仕事は」
「カレーにも入っているし、ジャガイモのみそ汁もいいですね」
「ワカメなんかといっしょにね」
「わたし、あれが冷えたの好きです。
お玉なんかすくいあげて食べるの」
「それに不遇に強いですね、彼は。冷蔵庫なんかに入れないで、
そのへんにころがしといても腐りません」
「いまどこにいるの」
「北海道です」
「ああいうのが必要なんだよね、会社というところは」
「しかしあれですね。あのう、ウエの方にいくとだんだん問題が
出てきますね。彼も」
「そうなんだよねぇ。品格というか、風格というか、対外的な
押し出しということになると」
「ジャガイモが野菜株式会社の社長というわけには…」
「いきませんね」
「あれ、コロッケなんて仕事したのがよくなかったね」
「あれで品格を落としましたね」
「やらなきゃよかったのにね」
その他、ナスやキュウリやタマネギなどなど、
野菜談義が続きます。
相当無意味です。
ちなみに、野菜株式会社では、白菜が社長候補らしいです(笑)