■今日の「おすすめ本」■
2022年4月10日
- タイトル
- 男はプライドの生きものだから
- 著者
- テレンス リアル
- 出版社
- 講談社 (2000/04)
- おすすめ度




※おすすめ度について
家族セラピー専門の臨床心理士の著者が、自らの生い立ち、心を病んでいるクライアントの事例などから、「男らしさの病」、
それは、ある一種の「男性のうつ病」だと気づきます。
そしてそれは、人間関係をむしばんでいくと…。
その対処方法、セラピーのあり方、男性の生き方などが、
具体的に書かれているやや専門的な本。
著者は、こう言っています。
「うつ病の男性が回復へと向かいはじめるのは、
「何が得られるか」と問うことを止め、
「何を与えられるか」と自問しはじめたときである。
父性的な関わりとは、対象が子どもであれ、妻であれ、
芸術であれ、人類であれ、全身全霊で与えることである。
伝統的な男性社会の勝つか負けるかという構造からは、
魂の共有体験は生まれてこない。
征服されることを恐れる者は、自分が与えるものを
限定せざるを得ない。しかし、与えることを学ばなければ、
人間としての成熟は望めないのである。
「何を得られるのか」を問い続ける限り、彼は少年の世界に
生き続ける。
真に豊かな人生を生きるためには、ある時点で自分以外の
ものへのエネルギーを注ぎはじめる必要がある」
例えば、こんなことが書かれています。
1.男の隠れたうつ病
2.ナルシスの息子たち
3.抜け殻の男たち
4.トラウマの生理学
5.不朽の「男文化」
6.失われた絆
7.能力主義の悲劇
8.心にひそむふたりの子ども
9.子どもへの贈り物
10.癒しへの道…荒れ地を抜けて
やや専門的だし、厚い本なので、読むのに時間がかかりますが、
そうか、そういうことだったのかという発見も多く、大変勉強に
なった本でした。
男性心理、男性うつ病を知りたい方は、読んでみることを
おすすめします。
