■今日の「おすすめ本」■
2007年10月26日
- タイトル
- 「人生学」ことはじめ
- 著者
- 河合 隼雄
- 出版社
- 講談社
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
河合さんは、長い間のカウンセリングの経験から、
この本で「子どもの心理」について、こんなことを言っています。
「思春期の子どもたちは、いじめなどのことが明るみにでたとき、
「しまった」と思う反面、「ほっとした」という場合が多い。
心のどこかで「とめてくれ」と叫んでいる。
そして、誰もとめてくれないとなると、
それはエスカレートせざるを得ない」
「子ども指導ですが、ある程度よくなったところで、もう一度、
がらっと悪くなるという例が多いんです。
その時、先生は「裏切られた」と思うわけです。
独身の先生で、“非行少年”を下宿に連れて来て、一緒に生活をした。
その子がよくなってきたと喜んでいた矢先、
先生の月給を盗んで逃げたという。先生はもうカンカンでした。
「裏切った」と、ね。
これはものすごく浅はかな考えです。
そこまでやってもらったときというのは、
子どもはそういうことをする場合が多いんです。
(先生の愛情が)本物かどうか試している……。」
少し専門的な感じがするかもしれませんが、とても読みやすい本です。
人間の心理に深くせまっていて、考えさせられます。
この本からの、心にしみることばは、↓「今日のことば」を見てくださいね。
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
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現代という時代はどのような家庭でも 何からの「問題」をもっているのではないだろうか。 大切なことは問題があるかないかではなく、 どのようにそれに立ち向 | 本当にそうだなぁ…と思う。 しかし、 その「立ち向かい方」が よく分らないのだなぁ… 自分の感情とか、想いとか、 自分が考えている常識、やり方に | 2004-12-16 |
一般に人間は自分という存在が開かれ、 拡張される経験をするときは快感を、 逆に押し込められ、 縮小させられる経験をするときは不快感を感じる。 | 仕事をしていてもそうだが、 縮小になるというのは面白くない。 しかも、話が大きく進んでいたのに、 実際にその1/10くらいの規模になったりすると とんで | 2003-11-20 |
私は人生の中で「我を忘れる」体験を一度もしない人は不幸な人だと思う。自分という全存在を何かに賭けてみる。そのことによってこそ、自分が生きたと言えるのではないだろ | 「我を忘れる体験」…かぁ。思い出してみるが、あったかどうかわからない状態だ。あったかなぁ…なかったかなぁ…なんて曖昧なんだろう、私の生き方。 | 2003-09-20 |
人間は簡単に人を救済など出来ない。 | その通りだと思う。自分のこととして、考えてみればわかる。簡単に自分が救済されるだろうか…簡単にこころの傷が癒えるだろうか…簡単に気持ちが変わるだろうか…簡単に説 | 2002-12-01 |
何かを「する」ことでなく、なにもしないで「いる」ことのすごさ、という見方で、老人に接することが大切ではないか。何かを「する」ことは、青年期の考え方だ。この考え方 | 今の時代は、老人が疎まれるように見える。いずれ、自分も老人になることをみんな忘れているようだ。 | 2002-10-31 |
現代という時代はどのような家庭でも何からの「問題」をもっているのではなかろうか。大切なことは問題があるかないかではなく、どのようにそれに立ち向かっているか、とい | 家族との心のふれあいは、思いのほか難しいと著者の河合さんは言っている。その通りだなぁと思う。ふれてると思っているのは、こちらの方ばかりだったり、逆もあるかもしれ | 2002-06-05 |
無用の苦しみというものがあることに、われわれは気づくべきである。苦しむことによって精神は鍛えられる。しかし、苦しみが強すぎるとき、精神は破壊されることもあるので | 時間があって、一人でいると、どうしても「無用の苦しみ」を生み出す考えが浮かんでくる。だいたいそれは、よくない考えとか、不安な考えとかで、根拠のありそうでいて、な | 2002-05-08 |