■今日の「おすすめ本」■
2008年4月2日
- タイトル
- 心の治癒力をうまく引きだす
- 著者
- 黒丸 尊治
- 出版社
- 築地書館
- おすすめ度
- ※おすすめ度について
とてもいい本です。
著者はこう言っています。
「ややもすれば、われわれは、自分の医学知識や常識と言う
枠に患者をはめ込むことで、治療をしようとすることが
しばしばある。(略)
「医学的に正しいことだから、しっかりと実行してください」と
正論を振りかざしたり、
「いつまでもそんなことをしていたら、死んでしまいますよ」と
脅したりしても、それは治療にはならない」
それは、人間が正しいとわかっていても、嫌なことは嫌だからで、
こんなことを繰り返しても、治療にはならないと言います。
そして、大切なことは、治療に、医療の知識だけでなく、
「その人の持つ治癒力を引き出すため」という視点が必要で、
「その力を人はそれぞれが持っている」ということを
決して忘れてはならないと言うことだと、語っています。
例えば、こんな話しが載っています。人はよく
「亡くなった人をいつまでも想って泣いていたり、それを
いつまでも思い出してはいけない」という思い込みを持ち、
そんなふうにできない自分を責めたり、情けないと思ったりするが、
思ったようにできない自分の行動が「今は必要」なのであり、
その行動を「これでいいのだと」認める必要がある。
また、認めてもらう必要があると。
自分の、その理想的な思い込みに縛られて、自分でさらに
自分を追い込み、苦しんでいることもある。
そんな時に、今は、その自分でいいのだと、認めてあげることが
治療の一歩になることもあるのだと教えてくれます。
少し専門的な本ですが、人間心理に興味のある方、
人間の治る力について興味のある方には、おすすめの一冊です。
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
---|---|---|
本人が絶対的に正しいと思い込んでる「心の公式」は、たとえ、気づいたとしても、そう簡単に修正されない。 | 思い込んできた自分の考えを、変だと気がついても、そう簡単には認められない。なぜなら…そうすると自分の過去を否定してしまうことになるし、取り返しのつかない間違いを | 2002-04-20 |