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「今日のことば」
アルコール依存の人は、周囲から
飲み方に問題があることを指摘されると、
最初は自分にアルコールの問題が
あることを否定します。
「俺はアル中なんかとは違う。
あんなひどい状態ではない」と。
このとき、心の奥底には、
「問題があることを認めると、
節酒や禁酒をせざるを得なくなる」という
飲めなくなることへの恐怖感があります。
アルコールにとらわれていて、
アルコールのない毎日など考えられないため、
飲めなくなるのがいやでいやで
たまらないのです。
ところが、
自分がしでかしたさまざまな事実を
指摘され、それを否定しきれなくなると、
今度はアルコール以外には何も問題がないと、
アルコールから派生したほかの問題を
「俺は仕事をして金を稼ぎ、家族も養っている。
酒の飲み方がちょっと悪いだけで、
他に問題はない」と否定します。(略)
この「否認」が
アルコール依存の大きな特徴の一つであり、
治療を難しくしている要因でもあります。
自分が病気であることを否定して限り、
たとえ強制入院させられても、
アルコールをやめることはできません。
したがって、アルコール依存の治療の
第一歩は、
「自分はアルコール依存という病気である」
と、認めることなのです。
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