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「今日のことば」
将棋の羽生善治は、小学生のころから
天才といわれ、若くして七冠すべてを独占するなど、
「不出世の棋士」の呼び声が高い。
「決断力」など、ベストセラーとなった著者も多く、
ビジネスパーソンのあいだでよく読まれている。
20代のころ、羽生は才能について、
ひらめきや直感の力としてとらえていたようだ。
そのように発言していた。
しかし30代になって、変わってきた。
「私は、才能は一種のひらめきだと思っていた。
しかし今は、10年とか20年、30年を同じ姿勢で、
同じ情熱を傾けられることだが才能だと思っている」
厳しい勝負が続くプロの世界では、
力の差などほんの紙一重なのだろう。
だから上位の選手たちの勝ち負けは拮抗し、
3連勝した後に4連敗することもある。
またこれだけ長く一線にいると、マンネリに陥ったり、
気持ちが乗らなかったりすることがあったしても
不思議ではないように思える。
「同じ姿勢で、同じ情熱を傾ける」
ことの難しさを誰より知っているに違いない。
それを持続させることこそが人の才能なのだと
いわれるとなるほどそうなのかと納得させられる。
また特別な才能がない人間でも、勇気づけられる。
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