■感想を書く■
「今日のことば」
中国のある国境の塞(とりで)に一人の老人が住んでいた。
ある日、飼っていた馬が胡の国の方へ走って行ってしまった。
近所の人たちが、気の毒に思って「災難でしたなぁ」と
同情していた。それに対して老人は、
「いやいや、まだわかりませんぞ。ひょっとすると、
よいことがあるかもしれませんぞ」と悠然としていた。
やがて数ヶ月過ぎた、ある日、なんと逃げた馬が
胡の国の名馬をつれてきたのである。
近所の人たちは、こんどは、お祝いの言葉をかけた。
それに対して老人は
「いやいや、よいことか、めでたいことかわかりません。
悪いことにつながるかもしれません」と答えた。
案の定、一人息子が、名馬を気に入って乗り回していたところ、
落馬して大腿骨を折って片足が不自由になってしまったのである。
近所の人たちは、「大変でしたね」と見舞いにやってきた。
ところが、老人は相変わらずのにこやかな顔で、
「いやいや、同情してくださらなくても結構ですぞ。
これで不幸と決ったわけじゃないですからな」
と言っていた。
それから一年余りが過ぎ、隣国の胡が侵略してきた。
若い男性は兵役にやりだされたが、
一人息子は足が不自由なため、兵役を免れた。
10人のうち9人は戦死してしまったが、
老人と息子は難をまぬがれたのであった。
世の中、何が幸いに結びつくか、それとも不幸に結びつくか、
わからないことを教えてくれている。
|
◆投稿に当たってのお願いと規約◆
「今日のことば」に対する「ご自分の感想や考え方」の投稿をお願いします。誹謗、中傷、嫌がらせ、公序良俗に反する意見・感想、広告関連、名誉毀損、テーマに関係ないような書き込み等、管理人が適切でないと判断した場合には編集・削除させて頂きます。 この投稿で起きたトラブルに関して、管理人は一切の責任を負いかねます。 また、サーバー負荷の関係で、文字数は1000字まで、一日3回までの投稿とさせて頂ております。 よろしくご理解のほどお願いいたします。 |