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「今日のことば」
夏目漱石の「道草」を読んだことのある人は多いだろう。
主人公の建三は30代の大学教授で、
妻のお住(すみ)は高級官僚の娘という設定である。
妻が家計のやりくりで苦労しているので、
夫は少しでも負担を軽くしてあげたいと、アルバイトをする。
ところが、そうして得たお金を妻に渡しても、
妻は別に嬉しそうな顔をするわけではない。
「もし夫が優しい言葉を添えて、それを渡してくれたら、
きっと嬉しい顔をする事ができたろうにと思った」
漱石は妻の気持ちをこのように書いている。
一方、そのときの夫の気持ちはというと、
「もし細君が嬉しそうにそれを受け取ってくれたら
優しい言葉もかけられたろうにと考えた」
と書いている。
お互いに相手の優しさを期待しながら、
自らその優しさを表に出さなかった。
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