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出典名: | 「傷つきたくない」気持ちの精神病理 |
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おすすめ度: | ※おすすめ度について | ||
本のカテゴリ: | 心・心理学、心の病 | ||
副題: | 青少年の衝動行動のゆくえ | ||
著者: | 福西 勇夫 | ||
訳者: | |||
出版社: | 女子栄養大学出版部 | ||
本の内容: | 精神科医、医学博士でもある著者が書いた「傷つきたくないという心理」 の裏側にあるものをさまざまな角度から研究した本。 著者はこの「傷つきたくない心理」の背景の一つをこう言っています。 「総じて、子どもたちは心をやすらげる場所がなくさまよっています。 自分の心が落ち着く居場所がないのです。彼らが自分たちの心を 安定化させるには、浅いポジションを維持するしか方法がないのかも しれません。意識化していないかもしれませんが、そこまで追い込ま れているのでしょう。(略) 今の世代の人たちには、自分たちの心の内面の感情を言葉に適切に 表すことができない人が少なくありません。 ひどい場合、自分で悲しいのか楽しいのかさえもわからないと言い ます。自分の感情がわからなくなるのです。(略) 「僕のことをわかってほしいけど、わかってくれない」という気持ちを 意識化できずに無意識レベルで心の中に閉じこめてしまう子どもたちは たくさんいますが、次第に諦観が強くなり考えることもしなくなります」 著者はこの背景にあるのは、大人たちの「生き方や、傷つきたくない気持 ち」がある言っています。つまり自分たちも傷つきたくないと思って、 こういう現象ときちんと向き合うことをしなくなっているということです。 「傷つきたくない…」という気持ち、自分の中にも確かにあります。 そのための過剰な防御をし、そのための保身をしている自分がいます。 この姿勢が、今の子どもたちにさらに大きく反映されてしまっているの かもしれません。 今の時代は、誰もが自分のことでいっぱいで、余裕がなくなっていると 思いますが、この本を読むと、それでいいのかと考えさせられます。 |
■この本から紹介している「今日のことば」■
この本からのことば | 感想 | 掲載日 |
人間というのは、本質的に本当は 自分をわかってもらいたい、 自分を認めてもらいたいと思う生き物で | 福西さんのように、貧困な感性と断言していいか どうかは別にして… | 2004-12-22 |