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出典名: | 殴られる妻たち |
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おすすめ度: | ※おすすめ度について | ||
本のカテゴリ: | 男女・恋愛 | ||
副題: | 証言・ドメスティック・バイオレンス | ||
著者: | 安宅 左知子 | ||
訳者: | |||
出版社: | 洋泉社 (2000/06) | ||
本の内容: | 読むと暗澹たる気持ちになる本です。 覚悟して読んでみてくださいね。 女性の生き方などをテーマに取材活動をしている著者が、 3つの実例、「殴り殺された妻」「酒に溺れた父」「シェルター に駆け込んだフィリピーナ」から、ドメスティックバイオレンス (以下DV)の実態に迫る本。 裁判、本人、回りに人たちへの取材を通し、DVがいかに理解 されづらいか、恐ろしいものであるか、人を壊していくか、 また、殴る夫の関係を精算した後で、妻たちが出合う現実とは どんなものかなど、赤裸々に書かれています。 平成11年秋に、総理府で20歳以上の男女4500人を対象に 「男女における暴力に関する調査」を実施した結果、その中の 既婚女性(離婚経験者含む)の4.5%が「生命の危険を感じる くらいの暴行を受けたことがある」と回答したそうです。 単純に言えば、既婚女性(離婚経験者含む)の、なんと20人に 一人が深刻なDVにあっていることがわかったということです。 著者は、この現実を取材して、こう述べています。 「暴力を振るわれる側の痛みは、常に暴力を振るう側の予想を はるかに越え、深くて重い。そして、暴力を振るう側の無自覚 で、鈍感で、身勝手なことか。 愛する者を拳を振り上げ、屈服させることでしか「僕を愛して」 と言えない男たちの、なんと哀しいことだろう。どこで彼らは その哀しく非道な愛の方法を学んでしまったのか。 一人の人間を殴り殺すことが可能な筋力を備えた、成熟した 大人の体に、抑制の効かない、あまりにも未熟な精神を抱え 込んだ男たち。そして、そういう男と縁あって結ばれてしま った女たちの、なんと哀しく不幸なことだろう」 やりきれなく、腹立たしいほどの思いにかられますが、現在は、 DVに関する情報もオープンになり、実態もわかってきてDVに 対する法律も徐々にではありますが、整備されつつあります。 同じ女性として、なんとかしたいと心から思いました。 |