■本の検索■
出典名: | 名画の言い分 |
|
|
おすすめ度: | ※おすすめ度について | ||
本のカテゴリ: | エッセイ・ノンフィクション | ||
副題: | 数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」 | ||
著者: | 木村 泰司 | ||
訳者: | |||
出版社: | 集英社 (2007/07) | ||
本の内容: | 西洋美術史家の著者が、楽しみつつ知的好奇心を満たす、「エンタ ーテインメントとして西洋美術史」の見方を教えてくれる本。 著者は、こう言っています。 「現代の日本では、やたら「感性で美術を見る」…好きかきらいか 感動するかしないか、といった尺度で見る…などと言いますが、 感性で近代以前の西洋美術を見ることなど不可能です。 なぜならば西洋美術は当然、西洋文明のなかで生まれてきたもの で、この西洋文明自体が 「人間の感性などあてにならない、理性的でなければ」という所 から始まっているからです。 そもそも画家が自由に自分の好きな絵を描くようになったのは 18世紀以降のこと。それ以前の作品は、古代ギリシアに遡る まで、ある一定のメッセージを伝えるものでした。 そこには明確な意図が内在しているのです。 西洋美術史とは、それらのメッセージや意図を正確に読み解いた 上で、その作品のもつ世界を十分に味わうことにほかなりません。 作品に内在するメッセージや意図を読み解くためには、その時代 の歴史、政治、宗教観、思想、社会背景など、膨大な量の知識が 必要になります。それらを包括して学問として体系化したのが 西洋美術史です。ですから、欧米人でさえ、美術史を学ばないと 西洋美術は理解できません」 ということですが、その膨大な知識をわかりやすく、エッセンス だけをまとめてくれている本です。 例えば、 「肖像画に隠されたメッセージを読み解くと、思わぬ素顔が見え てくる」ということで、有名な「モナ・リザ」の話も載って います。 読んでいて飽きませんよ。 「ほぉ~なるほど、そうだったのか…」 「えっ、そんな意味があったの?」などなど、 知的好奇心が満たされる本です。 絵画に興味のあるかたはぜひ、読んでみてください。 |